企業理念の重要性

2007年05月31日

 昨日、電通ならびにグループ企業各社のトップが集まる経営会議がありました。前半は昨年度グループ業績の報告ならびに今後の方針について、そして後半部分は、今後ますます重要性が増す「内部統制」に関する勉強会でした。

 法令が施行される以上、法令順守に努めることは企業として当然の責務ですが、ここで気を付けなければならないことは、規則を単に厳しくしたところで、違反する人間が出てしまえば、実も蓋もないということです。重要なことは、企業理念(企業の存在理由)を明確にし、全ての企業行動をそれに基づいて行うということだそうです。その好例として取り上げられたのが、ジョンソン&ジョンソン社の「Our Credo - 我が信条」でした。ジョンソン&ジョンソン社は、顧客、従業員、社会、そして株主に対する責任を全うするために存在する、とのことです。

http://www.jnj.com/our_company/our_credo/index.htm

 株主価値を最優先するアメリカ社会で、この考え方は奇異に感じますが、顧客第一で考え行動し、残りの責任をこの順序通り果たしてゆけば、株主への責任は自ずと果たせるというのが、彼らの基本的な考え方だそうです。実際、過去70年以上増収を続け、40年以上配当を継続しているそうです。そして、時価総額においても、世界最大の製薬会社であるファイザーの企業価値を大きく上回っているとのことでした。

 創業以来、当社も「クライアントファースト」と「コンプライアンス」をミッションに掲げてきました。最高のサービスを顧客に提供することに全力を注ぐこと、そして急速に変化・発展を続けるデジタルエコノミーにおいて、顧客が最も安心して付き合える戦略パートナーとなること、この二つを常に最優先して経営を行ってきました。「Our Credo」にはまだまだ到底及びませんが、一日も早く、ジョンソン&ジョンソン社のように、継続的に顧客から求められ、従業員が誇りを持って働くことができ、社会全体に貢献し、株主に安定的な利益を還元できる、最高の企業に成長したいと思います。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年05月31日 00:56 |パーマリンク

買収報道から週が明けて

2007年05月22日

 先週末のマイクロソフトによるaQuantive買収から週が明けて、様々なメディアで、より深い報道がされ始めました。今回のバイヤーであるマイクロソフトからの視点に関する記事は多数あるようですが、下記は広告業界の視点での記事になっていますので、業界の方にとっては理解しやすい内容だと思います。

http://www.adweek.com/aw/national/article_display.jsp?vnu_content_id=1003588021
http://www.adweek.com/aw/national/article_display.jsp?vnu_content_id=1003588019

 広告業界が、また広告ビジネスというものが、大きな変化のうねりの中にあることを、改めて痛感します。そして当社は、そのうねりの中の傍観者ではなく当事者であることを自覚して、この機会に、一層視野を広く、そして志を高く持って行きたいと思います。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年05月22日 22:29 |パーマリンク

マイクロソフトによるaQuantive買収について

2007年05月20日

 日本時間で一昨日の夜、当社が資本業務提携を結んでいるアベニューAレイザーフィッシュの親会社であるaQuantive社が、マイクロソフトからの買収提案に合意した旨の発表がありました。
http://www.microsoft.com/Presspass/press/2007/may07/05-18Advertising.mspx?rss_fdn=Press%20Releases

 グーグルによるダブルクリック、そしてWPPによる247リアルメディアの買収に続く、動きです。マイクロソフトにとっては創業来最大規模の買収だそうです。買収金額は、60億ドル(約7,260億円)、電通の時価総額と比較すると、77%に相当します。破格ではありますが、グーグルによるダブルクリックの買収価格が32億ドル(約3,870億円)でしたから、それとの比較という観点では、現在のaQuantiveグループの実力を知る者として、あまり違和感のない金額でした。むしろ、すこし安いくらいでしょうか。

 今回の買収については、日本国内でも、日本経済新聞を初め、様々なメディアで報道がされています。まだ2日間ですが、これまでの広告会社グループ内のM&Aとは、報道の規模が違うようです。これには二つの要因があると思います。ひとつは、広告ビジネスというものが、従来の広告業界だけの話ではなく、様々な業種にとって非常に重要な収益源になってきているということです。先日の日経ビジネスの記事にもあったように、グーグルは既に、収益的には世界トップの広告代理業を営んでいます。マイクロソフトはこうした成長により、従来彼らを支えてきたソフトウェア販売による収益モデルが、急速に終焉を向かえつつあることに、大変な危機感を持ち、今回の買収に向かったと考えられます。

もうひとつは、広告業界において、インタラクティブが一部分ではなく、今後の成長のための主力領域であるということが、改めて明確になってきたことでしょう。我々消費者の行動は、とっくにインタラクティブ化していますが、広告メディアとしての価値は、まだまだ雑誌メディア程度と、非常に小さいものです。こうした実情とは関係なく、インタラクティブを今後の成長ドライブにできなければ、広告会社としての将来性がなくなるということでしょう。これからはメディア枠を押さえるのではなく、消費者データを捕捉することにより、最高のマーケティングサービスを提供するという当社の戦略に間違いはないと確信しています。

 この度の買収に伴い、米国アベニューAレイザーフィッシュの社長と電話会議を持ちました。引き続き、資本業務提携契約に基づき、パートナーシップを強化していくことを、改めて確認しました。当社ならびに米国アベニューAレイザーフィッシュ共に、これまで通り、最高のインタラクティブサービスの提供に向け協力し、全力で取り組んでまいります。ぜひ引き続き、よろしくお願いします。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年05月20日 16:20 |パーマリンク

日経ビジネス

2007年05月18日

 今週、日経ビジネス誌で「電通が挑むメディア総力戦」というタイトルで、総力戦の一端として当社が取り上げられました。記事の反響はすさまじいものがありました。方々から「みたよ」との声、声、声。雑誌や新聞の購読者が減っていると言われていますが、関連性の高い記事に対する注目度は、少なくとも私の前後の世代に関しては、全く当てはまらないなと感じた一週間でした。一気にターゲットに知らせるというマスコミの役割は、依然として不変でした。この機能に関しては、インターネットはまだまだ及ばないようです。

 特に今回の反響で感じたことは、興味のある記事はかなりじっくりと読まれているということです。電通社内は言うまでもなく、一度地下鉄の中でも、おそらく広告関連の人だと思いますが、コピーした記事にアンダーラインを引いてじっくり読んでいる人を見かけました。確かに私も、理解を深めたい際には、そうすることがあります。したがってプリント媒体は、内容によっては、発行部数の何倍も伝播している可能性があります。そして、そうした際の伝播力は、かなり深く強いといえます。プリント媒体はストック型のメディアと言われる所以です。
 
 一方、インターネットメディアは、情報メディアとしては、プリント媒体と同様にテキストメディアとしての色彩が依然強いとはいえ、ここまで深い伝播力はないと思います。ただし、人から人への伝播は、クリックひとつで行えるという点で、非常に容易です。Subservient Chikenのように、あっという間に世界中に伝わり、しかも何年にもわたって継続的に伝播することも可能です。しかし、情報量が多過ぎ、また入手の容易さゆえに、それほど一つ一つの情報が、深く取り扱われてはいないように感じます。インターネットは、非常にフロー型のメディアといえます。

 近い将来全てのメディアがデジタル化すると信じて止まなかった私ですが、今一度、人の心に深く届くメディアミックスとは何なのかを考える、良い機会になりました。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年05月18日 02:14 |パーマリンク

aQuantiveの第一四半期業績

2007年05月12日

 アベニューAレイザーフィッシュが属するホールディングカンパニーaQuantiveの本年第一四半期(1-3月)の業績が発表されました。$1=120円換算で、収益が171億円(前年同期比55%増)、純利益が17億円(前年同期比87%増)と、引き続きすさまじい勢いで業績を拡大しています。特にここ1-2年の収益力の向上は、同業を経営している者として、目を見張るものがあります。
http://www.aquantive.com/news/releases/1Q07_earnings_release.pdf

 ここで、aQuantiveグループについて少しご紹介しようと思います。aQuantiveは米国ナスダックに上場しているデジタルマーケティングの持ち株会社です。傘下には、米国トップのインタラクティブエージェンシーであるアベニューAレイザーフィッシュ、第3者広告配信大手のAtlas、そして成果報酬型メディアサービスを手がけるDrivePMを抱えています。彼らはこれら3つのサービスを、Digital Marketing Services、Digital Marketing Technologies、Digital Performance Mediaとカテゴライズしています。私は、この3つの組み合わせが非常に優れていると思っています。googleとは一味違った形での、今後の広告ビジネスのあり方の成功事例となるでしょう。アメリカでも今年に入り、aQuantiveモデルの優位性について、各方面で熱く語られるようになってきました。このモデルについては、また別途お話しようと思います。

 上記持ち株グループの業績の内、アベニューAレイザーフィッシュの収益は100億円(前年同期比51%増)、営業利益が12億円(前年同期比69%増)でした。当社も昨年度は、おかげさまで創業来最高の業績を達成することができましたが、成長率ならびに収益力ともに、彼らのレベルには残念ながらまだまだ及びません。彼らの成功を見ると、こうした好業績を上げるためには、なによりもクライアントにとって本当に価値のある、しかも独自性のあるサービスを提供することが、何よりも重要です。より高い価値を提供できる会社に向けて、やるべきことは山積みです。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年05月12日 00:38 |パーマリンク

Boot camp returns

2007年05月08日

 昨日今日と2日間に亘り、米国アベニューAレイザーフィッシュのケイパビリティシェアリング担当ディレクターが当社を訪問しました。目的は、当社の現状を理解してもらうことと、今後のナレッジシェアをどのように進めるかについて具体的な議論をすることでした。

 当社のアカウントプラニング部門の部長に全体のコーディネーションをお願いしたところ、ここぞとばかりに、2月に我々が米国で味わったブートキャンプさながらの、スケジュールびっしりの2日間にしてくれました。幸いなことに、私はもっぱら会食中心の参加でしたが、今日のランチも米国のデリのような、結構バサバサのサンドイッチでした。非常に密度の濃い2日間を味わってもらえたと思います。彼は先程日本を発ってオーストラリアに向ったようで、明朝から現地で会議だそうです。大丈夫かなあ。

 冗談はさておき、今後グローバルクライアントに対して、彼らの強みであるデータ解析に基づくメディア提案、キャンペーン全体の最適化を、いかに日本市場に導入していくかについて、かなり具体的な議論が出来ました。もう既にビジネスがいくつかスタートしているので、早急な対応が何よりも重要だと認識しています。グローバルスタンダードの構築、どんどん進めていかないと。

3月末のクライアントサミットの詳細情報が下記サイトにアップされています。
http://www.avenuea-razorfish.com/clientsummit07/
お勧めは、当然のことながら、私が日本市場について講演した「Video - Keith Metzger, Digital Reinvention Around The World」です。少し長尺(1時間)ですが、お時間の許す時に、ぜひ参照ください。私のパートは4番目です。
また、Video Highlightsもサミット全体の感じをつかむには、お勧めです。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年05月08日 21:30 |パーマリンク