AARF 2008 Digital Outlook Report

2008年02月25日

 アベニューAレイザーフィッシュから、デジタルアウトルックレポート2008が、発行されました。米国を始め、世界の最新のインタラクティブメディアならびにインタラクティブマーケティングの動向が、レポートされています。今年は、当社のアナリストが、「the mobile web - the center of Japan's internet experience」というタイトルで日本のモバイルインターネットについて執筆しました。76ページからです。オンラインサインアップさえすれば、ご覧頂けます。ぜひ参照ください。

 今年のレポートは、ソーシャルメディアが広告ビジネスにおいても本格的に台頭してきたことを、大きく裏付けました。米国アベニューAレイザーフィッシュの取り扱い広告の構成比で、過去四年間で初めて、ポータルサイトへの広告出稿比率が前年を下回ったとのことです。増えたのは、ブログやSNSといったソーシャルメディアです。また、2007年に出稿したメディアの数は1,800に上り、2006年の863から大きく増加しました。まさに、ビッグサイトからスモールサイトへの広告予算のシフトです。これらのデータは、広告代理店一社の実績ではありますが、米国最大のメディアバイヤーの動向は、市場全体の動向を占うヒントにはなります。

 ソーシャルメディアの活用というと、YouTubeに口コミビデオを投稿したり、Facebook(米国で急成長するSNS)とタイアップしたりといった初期の実験段階は終わり、もっと新しくて深いマーケティング活用の形が生まれつつあります。こうしたマーケティングを、Social Influence Marketing と呼んでいます。本レポートについては、機会を見つけ、今後も紹介していこうと思います。

本レポートについては、下記ブログでも取り上げられています。
http://www.superhypeblog.com/
http://www.jefflanctot.com/

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2008年02月25日 21:48 |パーマリンク

大学就職希望ランキングを見て

2008年02月08日

 今朝の日経新聞に、大学生の就職先希望ランキングが発表されていました。これを見て、日本はイノベーションからますます遠ざかってしまうのではないかという、危機感を感じました。まず、ネット系の企業が全くランクインしていないこと。ネット系に限らず、そもそも新興企業と言える企業が、全くランキングされていませんでした。トップ100位の中で、最も若い企業は、おそらく90位にランクされたマイクロソフトではないでしょうか。日本では過去30年間、顕著なイノベーション企業は、全く生まれなかったのでしょうか?

 さらに驚いたことは、上位にランクされた企業は、当然のことながら日本を代表する一流企業ですが、よく見ると、明らかに成熟産業に分類される企業、イノベーションの最終段階に位置する企業も、散見されます。日本経済が、そして世界経済が大きな転換期を迎えつつある中で、学生の将来感は、どのように形成されているのでしょうか?

 就職希望企業の志望理由として上位に挙げられている項目は、「仕事が面白そうである」、「規模が大きい」、「一流である」、「安定している」といったような順番でした。最初の項目に異論はありませんが、それ以降の項目から推測されることは、現在の大学生にとって一流企業というものは、「規模が大きくて、安定している企業」であり、「今後イノベーションを起こして、高成長を遂げる企業」ではないようです。また、「一生、同じ会社で安定的に働きたい」という項目が、昨年比で大きく伸びたとのこと。これ自身は全く悪いことではないと思います。しかしながら、近い将来確実に、新しい成長カーブを描くイノベーションが必要となる成熟企業で、40年間働くという覚悟をした上での判断なのか、疑問が湧きました。もしこの認識に大きなギャップがあるとすると、企業が欲しいと思う人材と、実際に応募する学生の質に、ギャップが生じます。つまり、成熟産業の今後のイノベーションの可能性が、低くなってしまうことになります。

 いずれにせよ、社会の先輩である我々が、学生世代に対して、夢のあるしっかりとした将来像を提示し、それを実際に具現化していくことが、何よりも必要なのだと思います。日本経済が、大企業も新興企業も共に、ズブズブと沈んでしまわないように、現代社会人の責任は重いと感じました。

 最後にもう一つ。電通と博報堂が逆転してしまったのは、どうした訳でしょうか? 電通グループとして、気になります。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2008年02月08日 23:45 |パーマリンク

First Wednesday

2008年02月06日

 今日は、元電通副社長の百瀬伸夫氏が会長を務められている経営コンサルティング会社、岸・アンド・アソシエーツ社が主催するファースト・ウェンズデーという勉強会で、「親会社と系列会社の経営~電通のケース」というテーマで話をしてきました。この勉強会では、これまで日本国内に止まらず、世界各国の財界・学会のトップが講演者として登壇し、経営について語りあう、いわば上級のサロンです。また参加される方々も、財界・マスコミのトップの方々で、電通の役員を歴任された方々も参加されます。到底私に務まるレベルではないと思い、固辞させて頂こうと思いましたが、ぜひにということで、今日に至りました。私にとっては、米国大統領選のSuper Tuesdayの翌日の、思い出深いBig Wednesdayになりました。

 まず、現在起こっている広告業界の大変革についてお話しし、それを受けて、電通のグループ成長戦略について、そしてグループ経営の現状と課題について、話しました。私にとっても、業界の現状整理になりましたので、前半部分のみ簡単にご紹介しようと思います。

 マクロ視点から見た広告業界を取り巻く構造変化は、大きく3つあります。まずは「テクノロジーの進化」です。インターネット、携帯電話の普及・高速化は言うまでもありませんが、広告業界的には既存メディアのデジタル化が最も大きなインパクトでしょう。また、メディアスペースの調達や、システムやクリエーティブ開発が、理論上、世界規模で最適化できるようになったことが、挙げられます。
 
 2つめの変化は、「経済のグローバル化」です。通信システムの高度化、物流・交通システムのグローバル化により、貿易が活発化し、企業経営が急速にグローバル化しています。広告という、本来ドメスティックなものを取り扱う広告会社は、こうしたクライアント企業のグローバル化への対応に、これまで以上に追われることになるでしょう。

 3つめの変化は、言うまでもないことであり、同時に最も重要な変化とも言えますが、「個人の台頭」です。ブログ、SNS等のソーシャルメディアの台頭により、個人が簡単に世界に情報発信し、意見交換をすることができるようになりました。

 こうした環境変化を受けて、現在広告業界には現在3つの「広告離れ」が起きていると思います。1つめは、「消費者の広告離れ、広告不信」です。消費者は企業からの正式なメッセージに真剣に耳を傾けなくなってきました。それよりも彼らが信用するのは、友人からの推薦や、ブログでの評価、比較サイトでの情報になりました。検索サイトが急速に重要性を増してきた背景は、ここにもあります。

 次は、「企業の広告離れ」です。企業は新製品、新キャンペーンを伝達するためのリーチメディアとしてマスメディアを活用しますが、あくまでも必要な範囲内だけです。それ以外の予算は、広告効果が明確な施策にのみ、予算投下するようになってきています。広告販促活動が、予算消化から投資活動へと変化したためです。

 最後は、「広告ビジネスの広告会社離れ」です。昨今のマイクロソフト対グーグル戦に見られるように、広告収入を収益源とする企業が広告会社に止まらなくなりました。私のような、広告業界が長い人間からすると、いったい誰が競合で、誰が味方なのか、瞬時には分からなくなりました。

 こうした大変革の中で、広告会社の役割はどうなっていくのでしょうか。個人が情報発信し、広告在庫を取り扱うテクノロジーが普及し、企業のビジネスがグローバル化、オンライン化していく中で、広告会社は必要なくなるのでしょうか。私は、広告会社は今後も必要であると信じています。願っています。ただし、その役割は大きく変わらなければならないとも痛感しています。

 どう変わるべきか。そのヒントとなるキャンペーンとして、米国バーガーキングの大型ハンバーガー・ワッパー50周年キャンペーン「Whopper Freakout」を紹介します。グローバル化する企業のために、台頭する消費者にいかに響くメッセージを届けられるか、そして売上拡大に具体的に長期的に貢献できるか。ひとつの答えだと思います。私もワッパーが、無性に食べたくなりました。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2008年02月06日 23:46 |パーマリンク

資本業務提携から1周年を迎えて

2008年02月01日

 おかげさまで、アベニューAレイザーフィッシュとの資本業務提携ならびにそれに伴う社名変更から、1周年を迎えることができました。これもひとえに、皆様のご支援の賜物であると感じております。深く感謝申し上げます。

 本資本業務提携は、当社にとって「第二の創業」と言える大イベントでした。ウェブプロダクションから、インタラクティブエージェンシーへ。新社名に相応しい最高のインタラクティブマーケティングサービスの提供を目指し、既存業務フローの抜本的な見直し、組織拡充、人材強化、そして欧米最先端ソリューションの導入に努めてきました。こうした試みも、少しずつではありますが、実績として芽が出てきております。

 折しも、日本の広告業界は、デジタル化による変革の正念場を迎えつつあります。広告業界のイノベーターとして、クライアントの皆様の「新しい広告ニーズ」に応え得るプロ集団を目指し、全社一丸となって取り組んでいく所存です。今後とも、一層のご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2008年02月01日 19:39 |パーマリンク