2008クライアントサミットを終えて

2008年05月17日

 クライアントサミットを終えて、母校ペンシルバニア大学ウォートン校へ行ってきました。今回のクライアントサミットに参加して、日本の広告を何としても改善したい、科学的なアプローチを導入したい、クライアントのマーケティングに本当に役に立つものにしたい、という気持ちが一層強まりました。ずいぶん以前にも書きましたが、「日本市場は特殊」という状況を今後も続けてしまうと、本当に世界から無視されてしまう存在になってしまう。グローバル企業にとって日本市場の重要性がどんどん小さくなっていく中、ROIが明確なマーケティング活動が出来る環境を整備する、最後の機会に立っているように感じます。そのために、今のところ世界で最も成功した広告サービスモデルを構築したアベニューAレイザーフィッシュと、昨年1月に資本業務提携をし、色々なトライを行ってきました。

 今回の母校訪問は、もう一歩進んで、消費者の生涯価値(ライフタイムバリュー、LTV)の算定について、学術的な視点を入れて行きたいと感じ、意見交換のためにやってきました。私が留学していた10年ほど前にも、マーケティング工学とかマーケティング・サイエンスという講座があり、マーケティングROIやLTVを、統計解析を使って算出していました。しかしながら、現実には、LTVはかなり限られた条件下でしか機能しないものでした。ただし、この10年間で収集できるデータ量が大幅に増え、消費行動もオンライン化が進んだ中で、新しい算出手段があると感じています。おそらく一本の方程式ではなく、業界やビジネスモデル毎にカスタマイズしたものになると思いますが。

 ちょうど、大学全体が「卒業生ウィークエンド」というイベントを開催していて、予定していたより多くの先生と話をすることが出来ました。到着した時に、学部長のセッションがあったので、話を聞きました。ビジネススクールの数が急速に増加してきたため、優秀な教授陣の争奪戦が始まっている。また、世界中から優秀な学生を確保するために奨学金制度を強化する必要がある。またファシリティが充分ではないので、最先端の環境整備を行っていく予定である。そのために寄付金を募っているとのことでした。寄付金の収集額について、他の有名校との比較も行っていました。さしずめ企業経営者から中期成長戦略を聞いているような感じでした。アカデミック領域でも日本は、米国とは大きく後れを取ってしまっているようです。

 本イベントには、日本からは富士ゼロックス最高顧問の小林陽太郎氏も参加されていました。小林氏は、ペンシルバニア大学、ウォートン校ともに、日本の卒業生クラブの中心人物ですが、こうした本校でのイベントにも、しっかりと参加され活動されていることを知り、感銘を受けました。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2008年05月17日 21:48 |パーマリンク